News

大手企業によるIoTを活用した製品・サービス事例5選

技術情報
2022-11-22

コラム「IoTの活用事例 ~身近なデバイスから産業界の取り組みまで~」では、暮らし・エンターテインメント・医療・車・工場といったさまざまな分野で、IoTが導入されると何ができるようになるのかをご紹介しました。すでに多くの企業がIoTを活用した製品・サービスを世の中に送り出しており、私たちの生活やビジネス環境はどんどん便利になっています。

これからの製造業は、IoTを活用した製品・サービスを開発したり、自社の製造現場で活用したりと、自社の事業にIoTを積極的に取り入れていく必要があります。そこで今回のコラムでは、日本の大手企業が開発・提供しているIoTを活用した5つの製品・サービスをご紹介していきます。自社の事業にIoTを取り入れる際の参考にしていただければ幸いです。

IoT製品/KDDI ~au HOME~

IoTを活用した大手企業による4つの製品を紹介します

KDDIが提供している自宅の家電とスマートフォンを連携させるIoTを活用したサービスで、主な利用用途は以下の通りです。

  • ネットワークカメラを使って外出先から室内の状況を確認する
  • 赤外線リモコンを使って家電を遠隔で操作する
  • センサーで扉の開閉を検知する
  • 家電の電気使用量をリアルタイムで確認する
  • 外出先から子供やペットの様子を確認する
  • 留守中の家の様子を把握することで防犯対策をする

サービスを申し込むとカメラなどのデバイスと無線通信用のアダプタが送られてくるので、それらを設置してWi-Fiに繋ぎ、スマートフォンアプリと連携させます。デバイスは自分がやりたいことに合わせてお好みで追加することができます。

一般的に「スマートハウス」や「スマートホーム」というとエネルギーが制御された省エネ住宅のことを指し、au HOMEのような住宅は「IoTホーム」や「IoT住宅」と呼ばれています。

IoT製品/ヤマト運輸 ~ロボネコヤマト~

IoTを活用した大手企業による4つの製品を紹介します

ロボネコという可愛い名前のサービスはヤマト運輸とDeNAの共同プロジェクトです。

今や当たり前となっているネットショップでの買い物、即日発送、不在時の再配達は私たちの生活を便利で豊かにしてくれますが、その一方で宅配業者に大きな負担を強いています。中でも再配達率が約20%であることが、ドライバーの生産性を著しく低下させ結果的にドライバー不足の最大の要因となっています。

そこで開発された製品が自動宅配システムである「ロボネコヤマト」です。利用者がスマートフォンで受け取りの日時と場所を指定し、指定の場所に止まっている車に荷物を取りに行きます。車内に設置してある宅配ロッカーにスマートフォンに表示された二次元バーコードをかざすことにより荷物を受け取ることができます。

従来の家で宅配便を受け取る仕組みとは違い、自ら出向かなければなりませんが場所の指定は屋外であれば自由で、時間も10分刻みで指定できるため買い物の途中や帰宅途中に受け取ることが可能で、家で待っている必要もありません。

このIoTを活用した自動宅配システムは2017年から1年間に渡り神奈川県藤沢市で検証が行われ、再配達率は0.53%まで劇的に下がりました。
ロボネコヤマトのサービスを支えているのがAIを活用した車両運行システムです。システムが従来のドライバーの経験から得たノウハウを取り入れながら、道路の混雑状況を考慮して最適な運転ルートを示すので、ロボネコのドライバーは指示通りに運転し、指定場所に一定時間駐車することを繰り返せばよく、荷物の受け渡しには関与しません。今後はドライバーレスの自動運転も含めて検証を続け、実用化を目指しています。

IoT製品/トヨタ ~かんばん方式~

IoTを活用した大手企業による4つの製品を紹介します

トヨタ自動車では「トヨタ生産方式」をとっています。トヨタ生産方式は徹底的に無駄を失くし効率化するために長い年月をかけて確立されたもので、二つの思想から成り立っています。

・「自働化」
異常が発生したらただちに機械を停止させ不良品を作らない
・「ジャスト・イン・タイム」
 各工程において必要なものを必要な時に必要な分だけ生産する。

二つ目のジャスト・イン・タイムを実現するための仕組みが「かんばん」です。かんばんは、部品納入の時間、数量が書かれた作業指示書で、部品箱一つ一つにつけられています。後工程で部品を使用したらかんばんを外し、前工程に戻し使用した分だけ補給することで在庫が過剰になることを防ぎます。

1990年代の初めにかんばん方式はIT化されeかんばんへと進化しました。データ化されたeかんばんは遠隔地とのやりとりも可能で、現在のIoTの走りとも言われています。

他にもトヨタでは人の作業を効率化するためにIoTを活用しています。効率化するためには従来の作業にどれだけ時間がかかっているかを計測し分析する必要がありますが、人手での計測から作業者につけられたセンサーで作業にかかった時間を自動で計測する仕組みへと変えたのです。この仕組みの導入によって、作業者毎の実績データ、例えば部品の組み立てにどれだけ時間がかかったのか等をリアルタイムで取得できます。また、センサーは時間の計測だけでなく棚の位置の検出も可能で、現場の問題点、例えばよく使う部品の棚が取りづらい位置にある、等がすぐに可視化されるようになりました。これまでは複数人のチームで1ヶ月ほどかけてデータを取得、分析し「カイゼン」に取り組んでいましが、IoTの導入により瞬時に問題点がわかるようになり、迅速にカイゼン策を打つことができるようになりました

IoT製品/コマツ ~スマートコンストラクション~

大手建設機器メーカーのコマツは、IoTという言葉が浸透する前から取り組みを進めて大きな成果を上げた企業です。1998年には「KOMTRAX(コムトラックス)」と呼ばれる機械稼働管理システムを開発し、2001年からコマツが販売するすべての建設機械に標準搭載しています。

KOMTRAXは、建設機械の位置情報や車両情報を通信で取得することによって次のようなサービスを実現しました。

  • 故障をすぐに察知して迅速な修理を行う
  • 効率的な配車計画や作業計画の作成を支援する
  • 適切な点検時期や部品の交換時期を提案する
  • 燃費の改善方法を提案する
  • 盗難を防止し、遠隔操作によってエンジンを停止する

2015年からは、KOMTRAXをさらに進化させた「スマートコンストラクション」を提供開始しています。これは、建設機械だけでなく建設現場のあらゆるプロセスをデジタルでつなぎ、安全性と生産性を向上させるサービスです。たとえば、測量や調査をドローンで行う、ITやIoTの技術を取り入れたICT建機がオペレーターをサポートする、といったことが実現しています。

労働力不足やオペレーターの高齢化、若手人材の技術不足など、建設業界は多くの課題を抱えています。スマートコンストラクションはこういった課題の解消に役立つサービスとして、非常に注目を集めている状況です。

IoT製品/デンソー ~​​Factory-IoTプラットフォーム~

大手自動車部品メーカーであるデンソーは、世界130の工場をIT・IoTの技術でつなぐ「​​Factory-IoTプラットフォーム」の自社開発を進めています。これは、工場のさまざまな機器から収集したデータを一つのプラットフォーム上に蓄積し、自由に活用できるようにするというものです。それにより、世界各地の需要に合わせた生産変動に即座に対応したり、作業者の動きや生産設備の稼働状況などをリアルタイムに分析したりできるようになります。

​​Factory-IoTプラットフォームの大きな特長の一つが、オープンソースソフトウェアを活用している点です。オープンソースは無償で誰でも自由に使用できるソフトウェアのことであり、自社の技術者はもちろん、社内外のパートナー企業とデータを共有したり、共同で改善を進めたりできるといいます。

製造業の工場では数多くの設備が稼働しており、収集できるデータも多種多様です。そういったデータを一つにまとめて蓄積できるプラットフォームの存在は、データを有効に活用していくために必要不可欠なものとなっていくでしょう。

IoT製品を導入して業務を改善したい

本コラムでご紹介した通り、すでに日常生活から大企業の生産工程まで、さまざまな分野でIoTを活用した製品・サービスが活躍しています。IoTはすでに、私たちの生活やビジネスにとって欠かせない技術です。今回ご紹介した製品・サービスを参考にしつつ、自社の事業にもIoTを取り入れてみてはいかがでしょうか。

コアコンセプト・テクノロジーでは、豊富な製造業の知識を元に、製造業向けIoT/AIソリューション「Orizuru」を提供しております。「Orizuru」では工場のさまざまなデータを取得し、可視化することが可能ですので、業務改善に役立てられます。

「業務改善のためにIoTを導入してみたいが、何から始めればいいかわからない」「IoT導入後の具体的なイメージが湧かない」「IoTを導入したが、データの活用方法がわからない」といった悩みを抱えている方や、IoTの導入・活用をご検討中の方は、ぜひお問い合わせください。

Download files

contactお問合せ downloadダウンロード