【製造業DX】いま、製造業に求められている省人化・省力化とは?

■Contents
これからの製造業では、以前にも増して省人化・省力化が重要になっていきます。省人化・省力化に役立つ技術は年々進化しているため、自社の業務を見直した上で、改めて取り組みを進めていくべきです。本コラムでは、製造業に求められている省人化・省力化について解説いたします。
省人化・省力化とは?
まずは、省人化・省力化がどういった意味の言葉なのかを確認しておきましょう。
省人化とは、既存の業務の改善を行い、その業務にかかっていた人員を削減することです。たとえば、ロボットを導入して業務を100%自動化した場合、もともとその業務を担当していた従業員を雇わなくてもよくなったり、人にしかできないほかの業務に割り当てたりできるようになります。
省力化に関しても、既存の業務の改善を行う点は同じです。ただし、省力化の場合は人員の削減ではなく、1人当たりの業務負担を軽減します。たとえば、ロボットを導入して業務を90%自動化した場合、従業員の業務負担は大幅に軽減しています。しかし、残り10%の業務は引き続き人が行わなければならないため、担当者を割り当てておく必要があるのです。

省人化と省力化は、どちらも重要な取り組みであることは間違いありません。ただし、より少ない人数で業務を回せるようになる省人化の方が、企業にとってのメリットは大きいといえます。
製造業の改善活動では、省力化によって業務負担は軽減できているものの、人員を削減する省人化までは至っていないケースが多々あります。より生産性を高めるためには、省力化で終わらないように改善を続けたり、既存の業務を抜本的に見直して省人化を目指したりする必要があるといえるでしょう。
製造業で省人化・省力化が求められている理由
そもそも、なぜ製造業で省人化・省力化が求められているのでしょうか。その理由を4つご紹介します。

深刻な人手不足
日本では少子高齢化が進行しており、労働人口が減少しています。すでに多くの企業が人手不足に陥っていますが、今後はさらに深刻化していくでしょう。一方で、企業が成長し続けるためには、業務量を減らすわけにはいきません。省人化・省力化に取り組まなければ、従業員1人当たりの業務負担が増えてしまい、事業を継続できなくなる恐れがあります。
働き方改革
昨今の日本では、「年次有給休暇の時季指定」や「時間外労働の上限制限」といった働き方改革が推進されています。製造業にとっても働き方改革は重要なテーマであり、従業員1人1人がより働きやすい職場環境を作るための取り組みが求められている状況です。そのため、省人化・省力化によって従業員が休みやすいようにしたり、残業をなくしたりする必要があります。
コスト削減
近年のグローバル化によって、製造業では国際的な競争が激化しています。競争力を維持するためには、コスト削減や生産性向上を継続的に実施していかなくてはなりません。省人化によって人員を削減できれば、余分な人件費を削減できます。また、省力化による業務負担の軽減は、生産コストの減少や生産量アップにつながるでしょう。こういった観点から、省人化・省力化が求められているのです。
技能継承の課題
省人化・省力化は、技能継承の課題を解消するのにも役立つと考えられています。その理由は、既存の業務を改善する過程で、ロボットによる自動化や標準化を図るためです。省人化・省力化に取り組むことで、熟練の従業員のスキルに依存せず、誰でも近い精度で業務を遂行できるようになります。
製造業が省人化・省力化を実現する方法
製造業が省人化・省力化を実現する方法は、大きく3つのパターンに分けられます。自社の業務の省人化・省力化に取り組む際の参考にしていただければ幸いです。

業務の見直し
後述する2つの方法を検討する前に、まずは既存の業務を見直してそのまま改善できないかを検討しましょう。省人化・省力化の基本は、「ムダをなくす」ことです。たとえば、トヨタ生産方式で有名なトヨタ自動車では、製造現場における7つのムダを排除する取り組みを行っています。
- 加工のムダ
- 在庫のムダ
- 造りすぎのムダ
- 手待ちのムダ
- 動作のムダ
- 運搬のムダ
- 不良・手直しのムダ
また、こちらのコラム では、「5S」に則った業務効率化に向けた取り組みをご紹介しています。
こういったあらゆるムダを排除する取り組みは、省人化には至らないかもしれませんが、省力化の観点では十分な効果が見込めます。
また、製造現場以外の業務でも、二重作業になっていたり、不必要なやり取りが発生していたりと、至る所にムダが眠っているものです。既存の業務の手順や内容を細かく見直してみることをおすすめします。
自動化設備の導入によるファクトリーオートメーション
製造現場での省人化・省力化においては、ロボットを始めとする自動化設備の導入によるファクトリーオートメーションが効果的です。従来は人が行っていた作業をロボットに置き換えることができれば、大幅な省人化・省力化を実現できます。
昨今の自動化設備にはAIやIoTなどのデジタル技術が活用されており、従来は人でなければできなかった複雑な作業も自動化できるようになってきました。生産ラインが完全に自動化されており、人は稼働状況をモニタリングするだけといったスマートファクトリーも実現しつつあります。
ファクトリーオートメーションの課題としては、高額なコストがかかることと、自動化設備やデジタル技術に精通した人材が少ないことが挙げられます。費用対効果をしっかりと測定し、必要に応じて外部企業からのサポートも受けながら、自動化を進めていくことが重要です。
業務のデジタル化による自動化・効率化
製造業が省人化・省力化を実現するもう一つの方法は、業務のデジタル化です。たとえば、次のような取り組みによって、業務の自動化や効率化を目指します。
- ホワイトボードやエクセルで行っている生産管理をシステム化する
- 紙での在庫管理をシステム化する
- 手書きや紙の図面を2Dデータや3Dデータ化する
- IoTで設備からデータを取得し、生産ラインの状況を見える化する
- 紙の帳票をデジタル化し、文書管理システムで一元管理する
- 解析・シミュレーションによって設計や製造における手間を軽減する
こういった業務のデジタル化は、近年注目されている製造業DXの観点からも重要な取り組みとなります。省人化・省力化を進める過程で業務をデジタル化していき、データが蓄積されるようになれば、新たな製品やサービス、ビジネスモデルを創出するDXに大きく近づくでしょう。
デジタル化による省人化・省力化を目指す企業の方へ
今回は、製造業での省人化・省力化についてご紹介しました。以前から省人化・省力化に取り組んでいる企業は多いと思いますが、技術の発展によって今まで以上に大きな成果が挙げられる可能性が高まっています。改めて自社の業務を見直し、省人化・省力化に取り組んでみてはいかがでしょうか。
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業務のデジタル化による省人化・省力化を目指す企業の方は、お気軽にこちらよりご相談ください。
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